HIITとは?やり方と効果を詳しく解説!

 

HIITという言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?「ダイエットには効果的!」「スタミナをつけるのに最適!」「足の筋トレとして!」様々な枕詞が行き交うHIITトレーニングですが、本記事ではそのHIITトレーニングのやり方や効果、そしてHIITトレーニングの実際を、詳しく解説していきます!

HIITとは

HIITとは、ハイインテンシティインターバルトレーニングの略称です。その名の通り、非常に高い強度の運動を、短いインターバルを挟みながら行うトレーニングになります。基本的には、これ以上動けないという限界まで身体を動かし、心肺機能の向上や体脂肪燃焼、筋力の向上を狙います。

主にアスリートや高いレベルの競技者が取り組んでいるイメージを持たれがちですが、一般の方でも簡単に取り組むことのできるトレーニングです。

HIITのやり方

では実際に、HIITのやり方を説明していきます。

基本的な方法は、「20秒間超高強度の運動」を全力で行い、「10秒間のインターバル」を挟み、それらを8セット行うというものです。これは立命館大学の田畑教授らによって研究された、所謂「タバタ式トレーニング」になります。タバタ式トレーニングはHIITで最もポピュラーなトレーニング法であり、基本的にはこの形を採用します。いきなり8セットは出来ないという方は、4セットから始め、5,6,7,8と徐々にセット数を増やしていきましょう。

HIITの効果

HIITで得られる最大の効果としては、無酸素運動能力の向上や、最大酸素摂取量の増加、それに伴う有酸素運動能力の向上です。即ち、簡単に言い換えるならば「スタミナの強化」です。先述のタバタ式トレーニングの実験では、スピードスケートのオリンピック選手に対し、20秒間超高強度の運動を全力で行い、10秒のインターバルを挟み、それらを8セット行いました。6週間後の結果を見ると、無酸素運動能力、そして最大酸素摂取量も大幅に向上していました。即ち、タバタ式によるHIITは無酸素運動(短時間でエネルギーを爆発的に使う運動)能力、有酸素運動能力どちらにも有意な効果が見られるのです。

HIITは痩せる?HIITのダイエット効果とは。

ここからはHIITによって得られるダイエット効果の実際について解説していきます。

先述の通り、HIITな主に、スタミナと筋力の強化を目的に取り組まれることの多い種目ですが、ダイエットを志し、HIITに取り組まれている方々も大勢いるでしょう。

HIITでは、「高いアフターバーン効果」が期待できます。人体は、激しい運動などにより一時的に酸素不足となった際、その不足を補おうと余分に酸素とエネルギーを消費します。これは運動後過剰酸素消費、通称EPOCと呼ばれ、その効果は最長で24時間程度続くと言われています。このEPOCにより、1日を通して高いエネルギー消費を保つことが可能となるため、ダイエットに非常に効果的となります。

また、先述の通りHIITは持久力や下半身の筋力の強化にも非常に有効ですので、それにより基礎代謝量の増加や、有酸素運動の強度が高まることによるダイエット効果も大いに期待することができます。

HIITのやり方

ではここからは具体的なHIITのやり方を解説していきます。

HIITは大まかに2種類のやり方があります。先述したタバタ式トレーニングのように、エアロバイクなどを用いて1つの種目を計8セット程行うやり方と、異なる4種目等を組み合わせ、1種目ごとに10秒間のインターバルを挟み、それを4セット×2本の計8セット行うやり方があります。前者は非常に高強度であり、8セットを全力でこなす事は、初心者や一般の方々には殆ど不可能であるため、まずは後者に取り組むことをオススメします。

それでは、具体的にどのような種目があるのかを説明します。

 

バーピージャンプ

 

バーピージャンプはまず、直立姿勢から腕立て伏せの姿勢を取るように、足を後ろに伸ばし、体を沈めます。その次に両足を揃えたまま元の直立に戻るよう立ち上がり、その勢いのまま上に向かってジャンプします。これを20秒間の間にできる限り繰り返します。

バーピージャンプは全身を使う運動であり、持久力のみならず、体全体の使い方の学習や瞬発力や俊敏性の獲得にも大きく役立ちます。ジャンプから着地の際、膝に負荷がかかるため、過体重の方などは膝への負担に注意しながら行いましょう。

 

マウンテンクライマー

 

マウンテンクライマーとは、腕立て伏せの体勢から左右の腿上げを交互に行う運動になります。動作は至ってシンプルで、まず腕立て伏せの体勢を作り、その後に左右の腿をできるだけ高く交互に上げていきます。20秒間全力で腿上げを繰り返し、テンポを落とさないことを意識します。

マウンテンクライマーでは、体勢の維持のために体幹部の筋肉である、腹直筋や腹斜筋、腹横筋らが使われ、体幹の強化にも繋がります。無論、動かしている下半身と、それを支える腕にも強い刺激が入ります。動作はシンプルですが、全力で足を動かすため瞬発力や俊敏性、またスタミナ強化にも最適な種目となります。

 

腕立て伏せ、膝付き腕立て伏せ

 

腕立て伏せは大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋、腹筋群と上半身の大部分を鍛えられるトレーニングですが、スタミナの向上、心拍数を上げることにも役立ちます。しかし、足を伸ばした姿勢で行う通常の腕立て伏せは、ある程度の筋力を必要とするため、それをテンポ良く行える方はそれ程多くありません。そのため、膝付きで行うことをオススメします。膝をつくことで強度が下がり、動作を行いやすくなります。

フォームは通常の腕立て伏せ同様、手を肩幅の1.5〜2倍程度に開き、肩の下の位置に置きます。そして膝をついたまま顎を地面につけるように体を沈めていきます。その後肘を伸ばし体を上げていきます。これを20秒間全力で行い続けます。

 

全力腿上げ

 

これはその場で腿上げを左右交互に行うという、至ってシンプルな種目です。しかしながら、太もも全面の筋肉である大腿四頭筋は、人体で最大の体積を誇るため、動かすにも相当なエネルギーを要します。そのため、心拍数が上がりやすく、HIITに用いるには最適な種目と言えます。大腿四頭筋は鍛えることで基礎代謝の向上も大きく期待できるため、ダイエットに取り組む上では、優先的に鍛えるべき部位の筆頭となります。

HIITのデメリット

これまでは、HIITの効果やメリット、具体的なやり方や種目などについて詳しく説明してきましたが、ここからはHIITの意外なデメリットをいくつか解説していきます。

先述の通り、HIITは非常に高い強度の運動となります。超高強度が前提であるため、中途半端にHIITに取り組んだとしても、思ったよりも効果を得られないというケースは多々あります。これには相当な精神力が必要とされるため、精神力に自信のない方は、コーチや友人、ご家族の方に見てもらいながら行うべきでしょう。また、HIITによるバーピージャンプなどは関節への負荷も少なからず存在するため、体調や身体の状態に少しでも不安がある時は避けるべきと言えます。また、一番気になるダイエットへの効果ですが、実際にEPOCによる体脂肪燃焼効果は期待できるのは事実ですが、タバタ式トレーニングのデータにもある通り、実際に行った際の消費カロリーはそれほど大きいものではなく、カロリーを稼ぐという意味では有酸素運動には及びません。あくまでもHIITは無酸素運動であるため、長時間(30〜60分)にわたる有酸素運動と比較すると、体脂肪の利用効率や消費カロリーを稼ぐという点では後塵を拝するのもまた事実です。そのため、ダイエットを行う際にはHIITのみに頼るのではなく、食事の管理や有酸素運動をしっかりと行った上で、副次的にHIITに取り組むことをオススメします。また、エアロバイクを用いたタバタ式トレーニングは、基本的に一般の方や初心者の方が取り組むには強度が高すぎるため、取り組みにくいというのもまたデメリットの一つとなります。 (HIITと有酸素運動はどっちが痩せる?詳しく解説‼

HIITを行う頻度は?

HIITを行う頻度は、週に2〜3回にしましょう。HIITは非常に高強度であるため、毎日の継続は怪我の元になってしまいます。しかしながら、週に1度では期待していた程の効果を得られない可能性があるため、前回のHIITから中2〜4日を空けて週に2〜3回取り組むのが良いでしょう。

HIITを行うべき時間帯は?

HIITはダイエットを目的とする場合、起床後に朝食を摂る前に行うのがオススメです。朝イチは1日で最も血糖値が低い状態であり、その状態でHIITを行うことで、運動中に糖質ではなく、脂質が優先的にエネルギーとして使用されます。そのため、朝イチでのHIITには高いダイエット効果が期待できます。筋力トレーニングと組み合わせて行う場合、筋力トレーニング→HIITの順番に行うのが効果的です。HIITはこ超高強度の運動であるため、筋力トレーニング前に行ってしまうとその後の筋力トレーニングの効果が半減してしまいます。これは有酸素運動にも言えることですが、基本的に筋力トレーニングの前にHIITや有酸素運動を行う場合は最低6時間、理想は10時間以上の時間を空けるべきです。その程度時間を空けることで、HIITや有酸素運動による筋力トレーニングへの弊害を大幅に軽減することができます。以上の理由から、筋力トレーニングとの組み合わせを行う際には、順番に気をつけましょう。

HIITの効果を最大化するポイント

ではここからは、HIITを行う上でその効果を最大化するポイントを解説していきます。

まず、HIITを行う際には最大限集中して行いましょう。HIITは超高強度の運動であることを前提としているため、集中して全力で行わなくては最大の効果を得ることができないどころか、その効果は半減してしまいます。そのため、1種目1セットを全て全力で出し切ることを意識しましょう。

 

栄養摂取を欠かさない

 

HIITをいくら全力で頑張ったところで、栄養管理が杜撰では、その効果は最大化されません。体重×1.2〜2のタンパク質の摂取を心がけ、カロリーの収支を意識した食生活を送る必要性があります。また、運動前後の炭水化物摂取も心がけましょう。トレーニング後30〜60分前に摂取するタンパク質は、ホエイプロテインが最も吸収速度が早という研究結果もあるため、トレーニング後はプロテインを摂取することも欠かせません。

ダイエットを目的とする場合、1日の総消費カロリーが1日の総摂取カロリーを上回ることが大前提であるため、HIITに取り組んだ上でトータルカロリーの管理も不可欠となります。

とにかく継続が命

ダイエットや筋力トレーニングは継続が命ということは常々語られていますが、HIITも例外ではありません。如何に1度で高水準のHIITを行おうと、月に1回や数ヶ月に1回では効果は現れてくれません。週に2〜3度、継続して行うことが成功の秘訣です。

 

如何でしたでしょうか?是非本記事を参考にし、HIITに取り組んで理想の身体を目指して頑張ってください!