メモリー2@大井町

マッスルメモリーのメカニズムを解説

 
ここでは海外の研究論文を元にしながら、マッスルメモリーのメカニズムについて解説します。
* どのくらいトレーニングすればメモリされるのか
* どのくらい効率が良くなるのか
* メモリはどのくらいの期間保たれるのか
* 本当に元の状態まで戻せるのか
上記4つの疑問に答えていきます。
7週間のトレーニングでメモリされた研究結果がある
Seaborneらの研究では「7週間のトレーニングを実施することでメモリされた」という結果が出ています。
この研究では、普段運動していない男性に対して7週間の期間「週2回下半身、週1回上半身の筋力トレーニング」を実施。その後7週間休ませて、筋力を元の状態に戻してから、再度7週間同様のトレーニングを行いました。
そして2回目のトレーニングを終えた結果、1回目のトレーニング終了時よりも筋肉量が5.9%増加していたという結果が得られています。
なお実験は「7週間」で行っていますが、論文の中では「一回のトレーニングだけでも、遺伝子情報に影響を与えてメモリする」とも言及されています。
あくまでこの研究論文から読み取れる内容ではありますが、見た目や体力に変化がでたトレーニング成果は、基本的にメモリされると考えて良いのかもしれません。
メモリ前よりも、大幅にトレーニング効率が良くなった研究結果がある
R.S. Staronらはトレーニング経験のある女子大学生を対象に「20週間のトレーニング」を行い、「30〜32週間の休み」を与えた後に、「再度6週間のトレーニング」を実施しました。
その結果「休息後の6週間のトレーニングで、以前に20週間トレーニングをした状態と同じ程度までに筋力が回復した」と結論付けられています。
ただし30〜32週間休んだ後では、20週間のトレーニングを始める前よりも高い筋力が保たれていたため、スタート地点が少し違うとも考えられます。とはいえど、30〜32週間の休息期間を6週間で埋められたのは一つの事実です。
研究対象や環境により期間の違いはあれど、何かしら「マッスルメモリー」と呼ばれる現象が起こっていることは明らかだと言えるでしょう。
マッスルメモリーの制限時間は、わかっていない
R.S. Staronらの研究では「30〜32週間の休息期間」ならメモリされていたことがわかっていますが、これが60週間ならどうなのか、100週間ならどうなのか、といった「マッスルメモリーの制限時間」は明確にわかっていません。
「一生記録される」という説を唱える人もいますが、それをいったら「世界最高のボディビルダーが高齢者になってトレーニングを再開しても、同じ体になれるのか?」といった問いにクエスチョンが出ます。
もちろんその時の体の状態にもよるでしょうし、老化現象も関わってくる可能性もあります。「制限時間」については、条件を揃えて研究すること自体が難しいのかもしれません。
明確に言えるのは「できるだけ早くトレーニングを再開した方が、スムーズに以前の状態まで戻れるだろう」ということです。
以前の状態に戻りやすいとはいえ、休むほど筋肉量や体力の低下は起こりますし、低下が大きいほど元に戻す労力が掛かるのは明白です。
元に戻したいのであれば、できる限り早くトレーニングを再開することをおすすめします。
完全に元の状態に戻せるか否かは人それぞれ
「トレーニングを休んだ後、以前とまったく同じ状態まで戻せるのか?」という問いについても、人それぞれの状況によって変わります。
例えばR.S. Staronらの調査のように、これまでトレーニングをしていなかった人が7週間トレーニングをしたのちに7週間休み、再度7週間のトレーニングをした場合であれば、以前よりも筋肉量が多くなっていました。
一方で、すでに筋肉量が遺伝的な限界に達しているようなボディビルダーだったとしたら、そこまでに戻すのは難しい可能性もあります。
また、そういったボディビルダーも年齢を重ねてしまうことで、以前と同じだけの筋肉量に達しない可能性もあります。
マッスルメモリーがあるからといって、全く同じ状態に戻れるか否かは、状況により大きく左右されるということです。
マッスルメモリーに関する調査結果まとめ
マッスルメモリーについてわかっていることをまとめると、以下の通りです。
* マッスルメモリーの現象自体は、複数の研究で確認されている
* メモリされる明確な期間や効果は、断言するのは難しい
* 早く筋肉を戻したいなら、できるだけ早くトレーニングを再開するべき
仮にしばらくトレーニングをサボってしまっていても、今すぐ再開すれば、スムーズに以前の体まで戻せる可能性があります。
ぜひ思い立ったタイミングで、気軽にトレーニングを再開してみてください。
 
少し小難しい感じになってしまいました
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