HIITと有酸素運動はどちらが痩せる?組み合わせるならどうするべき?HIITのやり方も含めトレーナーが徹底解説!

HIITという言葉をご存知でしょうか?HIITとは、「ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング」の略称で、その名の通りインターバルを挟んだ高強度トレーニングとなります。

近年のトレーニングブームや、新型コロナウイルスによる外出制限による自宅トレーニングにより、広く名前が知れ渡ったHIITですが、ダイエットに効果的であるという面からも注目されています。ダイエットに効果的な運動といえば、筋トレや有酸素運動が主に挙げられますが、それらと比較してHIITの効果はどうなのか?本記事ではそれらを徹底解説します!

HIITとは?

HIITとは先述の通り、高強度の運動と短時間のインターバルを繰り返し、それらを6〜8セット行い心肺機能の強化や下半身の筋力向上を主に狙った運動です。

具体的には、エアロバイクなどを用い、20秒間全力でバイクを漕いだ後、10秒間のインターバルを取り、すぐにバイクに移る。これを6〜8セット程繰り返す方法が最も有名です、これは立命館大学教授の田畑氏によって発案された「タバタ式トレーニング」とも言われ、アスリートの最大酸素摂取量向上、心肺機能の強化に非常に効果的であると示されています。その他にも、バーピージャンプや腕立て伏せを用いた方法など、とHIITの種目は多岐に渡ります。

そんなHIITですが、ダイエットに効果的という声が高まり、近年一般の方々でも取り組まれる機会が増えてきました。

HIITのやり方についてはこちら

HIITはダイエットに効果的?

では実際にHIITはダイエットに効果的なのでしょうか?

先述の通りタバタ式トレーニングに代表されるHIITは、主にアスリートの競技力向上のために用いられてきました。スピードスケートのオリンピック選手を対象に、自転車エルゴメーターを使用し、20秒間の全力運動を行った後、10秒間のインターバルを挟み、それを合計8セット。これらのトレーニングを数週間行った結果、最大酸素摂取量、及び無酸素運動能力が優位に向上し、結果として有酸素運動時、無酸素運動時共に、心肺機能の強化が裏付けられることとなりました。その事から、所謂持久力強化を目的として取り組まれてきたHIITですが、近年ではダイエットに効果的な側面もあるという事から、除脂肪を目指して取り組まれる方が増えてきました。

結論から述べると、HIITはダイエットに効果的です。HIITそのものによる消費カロリーは、精々200弱とそれ程でもありませんが、HIITには、運動後に起こる酸素負債、即ちEPOC(運動後過剰酸素消費量)を強く引き起こす作用があるとされています。

EPOCとは、HIITや筋トレなどの無酸素運動を行った後に、カロリー燃焼の効率が非常に高まった状態が続くような事象を指します。その場では100キロカロリーそこそこの消費であっても、運動後の数時間常にカロリー消費の効率が高まった状態であれば、ダイエットには効果的であることは明らかですよね。EPOCは所謂酸欠状態からの回復によって起こるため、息が上がるほどの強度の運動が必要ということになります。そのため、EPOCを狙うためにHIITを行うということは非常に効率的です!

また、EPOCは最大で24時間ほど継続するとされています。一度のHIITや筋トレにより、24時間もカロリー消費効率の良い状態、燃費の悪い状態を維持できることは、ダイエットを成功させる上で非常に優位なポイントです。

有酸素運動とは?

ではここからは、HIITや筋トレと対を成すダイエットの王道、有酸素運動について解説していきます。

有酸素運動とは、歩行ジョギング軽いランニング長距離の水泳サイクリングなど、長時間にわたって継続する運動の事を指します。エネルギーを生み出す機構が、筋肉内に存在するクレアチンリン酸を利用するATP-CP系や、糖を利用する解糖系などを主とする無酸素運動と異なり、酸素や脂肪を利用してエネルギーを供給する運動が、有酸素運動となります。このように、無酸素運動と比較し、脂肪が直接エネルギーとして利用されるため、有酸素運動はダイエットにおいて非常に効果的とされます。

具体的には、野球のピッチャーや陸上の100m走、ハンター投げややり投げと言った、一瞬で爆発的な力を発揮するような競技はATP-CP系機構、陸上の800m走やボクシング、レスリングと行った中期的に力を発揮し続けることが必要な競技は解糖系機構、マラソンや長距離水泳、トライアスロンと言った、長時間動き続けることが必要な競技は、有酸素系機構となります。

有酸素運動は何分すべき?

実際に「○○分でなくてはならない!」といった具体的な数字はありませんが、有酸素運動を行う際、20分を経過したあたりから、急激に脂質系がエネルギーとして供給される割合が高まることが判明しています。しかしながら、有酸素運動を20分以上行うと、体脂肪の分解と同時に、筋肉の分解率も高まることが明らかになっているため、その塩梅を考えることが重要となります。

また、疲れれば疲れるほど効果的であると、ジョギングにも関わらず過度にペースを上げ、非常に早い段階で息切れを起こすような運動はNGです。それでは折角の有酸素運動が無酸素運動へと切り替わってしまうため、効果を得られることができません。強度の目安としては、ジョギングの際は隣の人間と会話を続けられるくらいを目安にしましょう。

ダイエットにオススメの有酸素運動は?

ではここからは、ダイエットにオススメの有酸素運動を4つ紹介していきます。

 

・ウォーキング

 

ウォーキングは最も代表的な有酸素運動となります。強度は低めで、実際にウォーキングで強い息切れを起こすというケースは滅多にありません。そのため継続しやすく、効率的にダイエットを行うことができます。

目安は1日に1万歩を目指して行いましょう!

 

・トレッドミルを使ったウォーキング

 

フィットネスジムなどにある、トレッドミル(ウォーキングマシン)を利用して行うウォーキングは、消費カロリーを稼ぐ上で非常に有効な手段です。トレッドミルで傾斜をつけ、上り坂を歩くような状況を作ることで、通常のウォーキングと比べ、圧倒的に効率用消費カロリーを稼ぐことが可能です。

 

・長距離の水泳

 

水泳はウォーキングやジョギングと比較し、膝や腰への負担が全く無いことが最大のメリットとなります。ウォーキングやジョギングは、腰や膝、足底に対して強いストレスがかかりますが、水泳では重力の関係上関節への負担がほとんど0となります。酷使する肩関節のケアを徹底し、健康的にダイエットに取り組みましょう!

HIITと有酸素運動、どちらがダイエットに効果的?

結論から述べると、単純に除脂肪、脂肪を落とすという意味でのダイエットへの効果で言えば、有酸素運動の方が効果的です。HIITと比較し、稼げる消費カロリーが上であり、また運動中のエネルギーも直接体脂肪から供給されるため、体脂肪を落とすと言った観点では、有酸素運動の方がより効果的と言えます。

その点、HIITは不利となりますが、先述の通りHIITには、持久力の強化やEPOCの発生といった、直接心肺機能に働きかける効果が得られます。そのため、HIITによって強化された持久力を活かし、有酸素運動の時間と強度をレベルアップされることが、ダイエットへの最短ルートとなります!

HIITと有酸素運動、組み合わせるならどうすべき?

HIITと有酸素運動を組み合わせる場合は、先にHIITを行い、その後に有酸素運動を行いましょう。無酸素運動であるHIITはより強度が高いため、先に有酸素運動を行ってしまうと、最大限のパフォーマンスを発揮することが出来なくなってしまいます。そのため、順番選びには注意しましょう!

 

如何でしたか?今回は巷で話題のダイエット運動、HIITと有酸素運動の解説をしました。

どちらもダイエットに効果的であり、運動不足解消にも非常に役立つため、是非参考にして取り組んでみてください!