マッスルメモリーとは
マッスルメモリーは「長期間トレーニングを休んで筋力や筋量が落ちてしまっても、以前よりも少ない期間と労力で筋力・筋量が元に戻る現象」を指します。
マッスルメモリーの例
1. 筋肉量が50ある状態からトレーニング開始
2. 筋肉量100まで、1年間で増やす
3. トレーニングを休んで、筋肉量が50に戻ってしまった
4. またトレーニングを始めて100になるまでに9ヶ月で到達できた
上記例に挙げた「9ヶ月」はあくまで一例で、この期間は人や状況により異なります。
要するに一度トレーニングしたことがあれば、休んで復帰した後のトレーニング効率が良くなる傾向にあるということですね。
誰にでも何らかの理由によって、長期間トレーニングを休まなければいけない事が起こりえます。
そうなると「今まで鍛えてきたことが無駄になってしまう……」と悲観してしまう方も多いのですが、休んだとしてもトレーニングしてきたことがまったくの無駄にはならない可能性が高いということ。
マッスルメモリーは、トレーニーたちの救世主になりうる現象なのです。
マッスルメモリーが起こる理由は「核」にある
筋肉量が増加すると、細胞がそれを記録することで、マッスルメモリーが起こると言われています。
マッスルメモリーの正体を解説するために、ここでは「筋肉量が増加するメカニズム」から見ていきましょう。
まず1本の筋繊維は、多数の「細胞」から作られています。その「細胞」の一つ一つには「核」が存在し、核が筋肉を肥大させる指令を出します。
そしてこの「核」の個数は、筋トレによって増加させられることがわかっています。
筋トレを行うことによって、筋繊維の外側にある「筋サテライト細胞」が細胞分裂を起こし、筋細胞となり、筋繊維に「細胞」と「核」を提供します。それが繰り返されることで、筋肥大が起こります。
この「核」は、トレーニングをやめて筋肉量が元に戻ってしまっても、ある程度残っていると考えられています。
トレーニングをやめた状態でも、筋肥大を指令する「核」が多く残っているために、以前よりも速い速度で以前の状態に戻れるという理屈が「マッスルメモリー」の正体です。
次回はその続きから長くなりますが、詳しく説明させていただきます