ハムストリングス@大井町

ハムストリングスの3つの筋肉は、骨盤の坐骨結節(椅子に座った状態で、左右のお尻の下に両手を敷くとゴリゴリと触れる骨の出っぱり部分)から始まり、股関節と膝関節をまたいで、膝下に付着しています。膝を曲げた後ろのくぼみを膝窩(しっか)と呼びますが、ここに指を入れ、外側にあるすじを触ってみてください。これが大腿二頭筋の端っこの腱です。反対に、膝窩の内側にあるすじは(2本あります、触り分けることができるでしょうか?)、半腱様筋と半膜様筋の端っこの腱です。

 

「ストリングス」は「ひも」という意味で、本来ハムストリングスはこの腱のことを指す名称なのです。どうやら昔はハムを作るとき、この腱の部分を使ってつり下げていたらしいです。

 

さて、ハムストリングスは最も肉ばなれが起こりやすい部分です。この「肉ばなれ」という言葉、よく耳にはしますが、どういう状態を指すかご存知でしょうか。

別に、骨から筋肉がビロビロに剥がれてしまうわけではなく、スポーツ動作時など、筋肉に力を入れている状態のときに、急激に強制的に引き伸ばされたりして筋膜や筋線維の一部が損傷する状態を指します。

 

ヒトの筋肉や腱の柔軟性は若いほど高く、20歳を越えた頃から徐々に低下するため(焼き鳥なんかもそうですよね。若鶏の肉は柔らかく、親鶏は硬くて歯ごたえがあります)、子供や若者よりもオトナの方が肉ばなれの発症率は高くなります。

また、大腿後面のハムストリングスよりも大腿前面の大腿四頭筋(=股関節を曲げる+膝を伸ばす働き)の方がよく発達しているヒトが多いため、前後の筋力がアンバランスとなりやすく、太腿に急激な筋収縮が起こった際に、相対的に弱いハムストリングスがついて行けず損傷が起こってしまう、という機序もあります。したがって、ハムストリングスの柔軟性を保っておくことと筋力をつけておくことが肉ばなれ等の筋損傷の予防につながります。

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